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  なるまで

お姉さんが転勤してきたときは、けっこう衝撃的でした。
普段、わたしたち女子社員は制服を着用しています。
転勤してきたお姉さんは、名古屋支店にいるときからけっこう外出も多く、要望があればお客様のところへも訪問したりと、制服を着ることがなかったようです。

わたしたちの支店にきて、前ほどは外出の機会は減ったようなのですが、まだまだ外出することもあり、彼女自前のスーツで出勤しています。

転勤初日、お姉さんが着ていたのは黒のパンツスーツ。
インナーの薄いブルーのシャツがおしゃれで、わたしたちは同姓ながら目を奪われました。
いまどきは珍しい黒髪、といっても、もともとの色素がそんなに濃いわけではないので、重たい感じもありません。

茶髪だらけの中では、余計目立っていました。
艶のある長い髪は、綺麗なゆるいウェーブがかかっていて、朝から美容院に行ってきたのかと思うくらいでした。

自己紹介の声も、大きすぎず、でもよく通る声で、こんな完璧な人がいてもいいのかと思ってしまうくらい素敵でした。
転勤して何日かは、システムの説明に忙しく、わたしたちも近寄りがたいことから、話しかけることもできませんでしたが、出勤時のお茶を持っていったときに、思い切って声をかけてみました。

「今日はいいお天気ですね。」
自分でも、恥ずかしくなるくない月並みな言葉・・・。
ほんの一瞬の時間なのに、わたしは恥ずかしくて走り去りたい気持ちになりました。
お姉さんは、
「ほんと、いいお天気やねぇ。」
と、伸びをしながら答えてくれました。

さらに、
「あんまり気持ちよくて、○○駅から歩いて来ちゃった!」
電車で4駅!?
どれだけ早起きしたの???
と、目を丸くしていたら、
「○○駅までだけどね。」
なんだ、ひと駅だけ歩いただけなんだぁ。

ぺろっと舌をだしたお姉さんの表情が、見たこともない緩んだ表情だったので、またもや虜になってしまいました。

それで笑い合ったことがきっかけで、わたしも他の女子社員もお姉さんに対しての緊張感が解け、ちょっとした時間にも話しかけることができるようになりました。
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